加工硬化(ひずみ硬化)

加工硬化(ひずみ硬化)とは、金属材料を冷間加工によって塑性変形をさせることで金属が硬くなり、脆く割れやすくなる現象です。

原因としては、塑性変形により転位同士が絡み合い、転位が容易に移動できなくなることにより硬化が生じます。

加工硬化が起こった金属材料は「焼きなまし」によって内部原子を再結晶させ、ひずみを緩和させることで性質を元に戻すことができます。

金属材料が硬化することはメリットとして挙げられますが、材料自体の粘り強さが低下し割れに繋がることもあります。

また、冷間加工後の工程で不備が生じる可能性もある為、注意が必要です。

金属材料別での加工硬化のしやすさは加工硬化指数(n値)を参考にします。

n値とは応力ひずみ線図の降伏点に「応力σ」と「ひずみε」をσ=Cεnで近似させた時の指数nのことです。

n値は0~1までで表記され、数値が1に近づくほど加工硬化は起こりやすくなります。

以下の表はあくまで参考ですが、主な金属材料の加工硬化指数表になります。

 

 

 

※アルミニウム合金(A1,100-0)は焼きなましによって軟化させたものになります。