転位

転位とは、結晶材料の中に存在する線状の欠陥のことです。 金属などがどのように変形するかを決める、とても重要な性質です。 結晶の中で、本来まっすぐ並ぶはずの原子の並びが 一部だけずれて“段差”のようになっている状態、この「ずれの線」が転位です。 外力等によって転位近辺の原子が再配置されることによって転位の位置が移動し材料が変形していきます。 原子面全体を一斉にずらすには大きな応力が必要となりますが、 この転位の移動により少しずつ原子配置をずらすことで、 理論値よりも小さい力で変形することを可能としています。 転位が動きやすいと柔らかくなり延性が高まり、動きにくいと硬くなります。